3シリーズ E91 320iツーリングハイライン エンジン掛からない

こちらの車両は、地元愛知県内にお住いのT様の’09年式 E91 320iツーリングハイラインです。
今回は、エンジンが掛からなくなったということで、レッカーサービスでご入庫いただけました。

テスターを繋いでみました。
トラブルコード4つです。
バルブトロニック関連のトラブルコードです。

こちらもバルブトロニック関連のトラブルコードです。

こちらもバルブトロニック関連のトラブルコードです。

こちらは、差圧センサーのトラブルコードです。
過去にも、バルブトロニック関連の不具合は、修理してきましたが、エンジンが掛からなくなる症状は、見たことがありません。
エンジンが掛かりそうで、掛からない感じです。

クランキングしていたら、バッテリが弱ってきました。
バッテリを充電しながら点検します。

燃圧を点検してみました。
正常です。
クランキングしても燃圧は、下がりません。
マフラーをクンクンしてみました。
ガソリン臭いです。
燃料は、正常に噴射しているようです。

イグニッションコイルとスパークプラグを取り外しました。

スパークプラグは、かぶってしまっています。

コンプレッションを点検します。
こちらは、1番シリンダーです。
正常値位だと思います。

2番シリンダーです。
正常値位だと思います。

3番シリンダーです。
1番2番と比べると圧縮圧力が低いです。

4番シリンダーです。
1番2番と比べると圧縮圧力が低いです。
圧縮不良でエンジンが掛からないようです。
このパターンだと、エンジン不良の可能性があります。
お客様とご相談した結果、一度添加剤を入れてみることになりました。

コンプレッションリペアという添加剤です。

入れてみました。
かなり粘度が高いです。
注入に時間が掛かります。
クランキングしてみましたが、エンジンは掛かりません。

もう一度コンプレッションを点検してみます。
1番シリンダーです。
前回より圧縮圧力が低くなっています。

2番シリンダーです。
前回より圧縮圧力が低くなっています。

3番シリンダーです。
前回より圧縮圧力が上がっています。

4番シリンダーです。
前回より圧縮圧力が上がっています。

テスターを繋いで一度トラブルコードを消去いたしました。
トラブルコードは、2つです。
VVTモーター不良かもしれないです。

バルブトロニック関連のトラブルコードです。
このトラブルコードは、消去しても消えません。

エキセントリックシャフトカムのリフト量を再学習させてみます。

ダメです。
写真は、9ですが、7が表示されます。
どちらにしても、再学習してくれません。
正常の場合は、5が表示されます。

タペットカバーを開けてみました。

エキセントリックシャフトのギアの停止位置が見慣れない位置です。

以前載せ替えたエンジンの写真です。写真が反対側からなので見辛くてすいません。m(__)m
いつもは、この位の位置で停止しています。

開けたついでにVVTモーターを付け替えてみます。(中古)

左が車に付いていた物で、右が中古部品です。

取り付けるときに、エキセントリックシャフトのギア位置を手でずらして取り付けました。
一度タペットカバーを元に戻して、エンジンを掛けてみました。
掛かりそうでしたが、またすぐに初爆がなくなりました。
テスタ―を繋いでみましたが、前と同じトラブルコードが出ます。

もう一度タペットカバーを取り外しました。
カバーを開けた状態で、イグニッションONにしてみました。
VVTモーターが一度全開まで動いて、最初に開けた時の位置で停止します。
これは、エキセントリックシャフトセンサーの方が不良なのかもしれないです。
エキセントリックシャフトセンサーを取り外しました。

エキセントリックシャフトセンサーも中古の部品に交換してみます。
VVTモーターも、もう一度取り外して、エキセントリックシャフトのギア位置を手でずらして取り付けました。
今度は、VVTモーターのカプラーを繋がずにエンジンをかけてみました。
クランキングしていると初爆があります。
プラグがかぶっている為、なかなか完爆しません。
掛かりそうなので、もうしばらくクランキングしていたら、エンジン掛かりました。\(^o^)/
でも、調子が悪いです。
プラグのかぶりが取れる位まで、我慢してエンジンを掛けておきました。
一度エンジンを止めても、再始動出来そうなので、今度はVVTモーターのカプラーも繋いでみました。
無事エンジンは、始動しました。
エキセントリックカムシャフトの位置学習をしてみました。
正常に出来ました。
エンジン不調もなくなり、吹け上がりも問題ありません。
ということで、お客様とご相談した結果、VVTモーターとエキセントリックシャフトセンサーとスパークプラグを新品交換することになりました。
つづきは、後日アップいたします。

もしかすると、エキセントリックシャフトがこの位置で停止すると、インテークバルブがしっかり閉まらないとかで圧縮圧力が上がらなくなるのかもしれないです。